Dannnoue Eye Clinic Kameari Branch
白内障に関するご質問
Q.白内障はどういった人がなりやすいですか?
A.実は白内障にもいろいろなタイプがあります。
一般的に知られている白内障は加齢性白内障ですが、これは年齢を重ねてくると全員、つまり誰でもなります。50~60歳代頃から出始めますが、糖尿病がある人や近視の強い人、あるいはほかの眼の病気をしたことがある人は早い時期から出始める傾向にあります。しばしば南国の人に進行した白内障を認めることから、紫外線の関与もあるとされています。あとはステロイドホルモンを長期的に使用することで発症するステロイド白内障、アトピー性皮膚炎に合併するアトピー性白内障、眼をけがした後になる外傷性白内障、生まれた時からある先天性白内障などがあります。いずれも白内障手術が根本的な治療となります。
Q.白内障はいつ手術するべきですか?
A.白内障はよく白髪に例えられます。白髪が少しでも出始めたら染める人、しばらく何もしない人、髪が真っ白になっても染めない人など、白髪に対するアプローチが人それぞれであるように、白内障の手術時期についても人によって違います。
一般的には日常生活や仕事に支障があるかどうか、車を運転される方であれば運転免許更新の視力基準を満たすかどうか、といったポイントで手術時期を決めていきます。ただし、患者さんが特に見え方で困っていなくても、眼底管理が必要(糖尿病網膜症や緑内障などの眼底疾患をお持ちの方)であれば、早めの手術を勧める場合があります。
Q.白内障の手術をすれば、老眼は治りますか?
A.私たちは普段、眼球の中にある水晶体(ここが濁ると白内障になります)の厚みを変えることでオートフォーカスを効かせ、見たいところに瞬時にピントを合わせることができます。
老眼は加齢により水晶体の弾力性が失われることでピント調節力が落ちることをいいます。白内障手術では濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入しますが、眼内レンズそのものが眼の中で厚みを変えてピント調節することはありません。ですから、白内障手術をすれば若い頃のようにどこでもすっきり見える、ということはないのですが、最近の眼内レンズの中には、近距離と遠距離、それに加えて中距離など、一定のポイントごとに焦点が合うように設計されているものや、中距離から遠距離にかけては連続的にピントがあうようなものもでてきました。
眼内レンズの種類は多岐にわたり、それぞれの特徴も異なるため、一人ひとり患者さんのライフスタイルに沿ったものを提供する必要があります。
緑内障に関するご質問
Q.そもそも緑内障ってどんな病気なのですか?
A.白内障と緑内障、一文字しか違いませんが全く違う病気です。
白内障は水晶体が濁る病気ですが、緑内障は眼球の後ろにある視神経が障害され、視野が狭くなってくる病気です。眼球の奥にはカメラのフィルムにあたる網膜がありますが、網膜には視覚情報を受け取るための神経細胞とその線維が張り巡らされています。
視神経はこの神経線維が集まって束になっている部分ですが、緑内障になると神経線維が少しずつ障害され、その神経線維が担当している視野が見えにくくなってきます。これが結果として緑内障に特徴的な視野障害をきたします。
Q.どうして緑内障になるのですか?
A.緑内障は、あるひとつのことが原因となってなるわけではなく、いろいろな要素が複合的にあわさって発症・進行すると考えられています。
原因の一つに眼圧が挙げられ、眼圧が高い人ほど緑内障の発症リスクが高まります。もともと体質的に眼圧が高い人やぶどう膜炎などの眼の炎症によって眼圧が上がる人、ステロイドホルモン投与により眼圧が上がる人など、眼圧上昇の原因も様々です。
あとは年齢を重ねることでも発症しやすくなると考えられており、40歳以上では17人に一人が緑内障をもっているとの統計がでています。そのほかに、近視が強いことや遺伝的に緑内障になりやすい体質、または視神経を栄養する血流が乏しい傾向の人(低血圧、冷え症など)も緑内障になりやすいと考えられています。
Q.緑内障は治らない病気なのですか?
A.先ほども述べたように、緑内障は視神経が障害される病気です。
神経細胞や神経線維は爪や髪の毛のように再生しないため、一度傷んだものは元に戻りません。したがって現在の医学では、残念ながら緑内障を根治することはできないのですが、進行を遅らせることならできます。
緑内障の発症・進行には、眼圧、年齢、遺伝、強度近視などいろいろな要素が関与していますが、私たちが唯一コントロール可能なものが眼圧です。眼圧を下げると視野の進行が緩やかになることがわかっていますので、緑内障に対してはもっぱら眼圧を下げるための治療を行うこととなります。ここで重要なのは、緑内障の治療はあくまで進行を遅らせるもので、失った視野を取り戻すものではありません。したがって緑内障が進行した状態で見つかった場合の視力予後は厳しいのが現状です。
根治療法のない緑内障では早期発見・早期治療が非常に重要になりますが、早期では自覚症状がほとんどないため、40歳を過ぎたら定期的な眼底検査を受けられることをお勧めします。
糖尿病網膜症に関するご質問
Q.糖尿病になったらすぐに目も悪くなるのでしょうか?
A.糖尿病は全身にいろいろな合併症を引き起こしてきますが、眼も例外ではありません。
眼におこる合併症もいくつかありますが、一番多いのは糖尿病網膜症です。これは一般的には糖尿病になって10年ぐらいで発症するといわれていますが、糖尿病の発症年齢やコントロールの状態によってもかわってきます。
さらに、糖尿病網膜症を発症して初期の頃は自覚症状がほとんどないため、内科や健康診断で糖尿病と診断されたら、まずは眼科診察を受けられることをお勧めします。
Q.どのぐらいの頻度で検査をしてもらったらいいですか?
A.糖尿病のコントロールが良好で、なおかつ網膜症を発症していない状態であれば半年から1年に一度、網膜症を発症したら、1~3か月に一度の頻度で眼底検査を行います。いずれにせよ、糖尿病と診断されたら、定期的な眼科診察が必要になります。
Q.糖尿病網膜症にはどのような治療があるのでしょうか?
A.糖尿病網膜症の初期段階では経過観察で十分ですが、網膜の血管が傷んで循環が悪くなってくると、レーザーの治療が必要となってきます。さらに段階が進んで大きな眼底出血をおこしてきたり、網膜の上に増殖膜が形成され網膜剥離に至った場合には、硝子体手術を施行します。また糖尿病網膜症とは別に、網膜の中心部(黄斑)が腫れる糖尿病黄斑症をきたすことがあり、糖尿病網膜症の初期でも起こります。これがでると視力が低下するため、眼球の中(硝子体腔内)や外(テノン嚢下)に注射で薬剤を投与したり、網膜症が軽くてもレーザー治療を組み合わせたりすることがあります。
硝子体注射に関するご質問
Q.どういった病気でこの治療が必要になるのですか?
A.加齢黄斑変性や近視性黄斑症など、黄斑部には本来存在しない病的な血管がでてきて、それにより黄斑部に出血を起こしたり、水がたまったりする場合。もしくは、糖尿病黄斑症やそのほか網膜の血流が悪くなることでおこる黄斑浮腫が適応となります。
Q.何回注射が必要になってくるのでしょうか?
A.眼の状態によって、数回ですむ人もいれば1~2か月に一度、定期的に継続して注射した方がよい人もおられます。注射の薬剤は何種類かありますが、保険がきいても高価なものが多く、注射が複数回にわたって必要な場合、どういうプランで続けていくかを相談しながら決めていきます。
Q.注射後はどのようなことに気を付ければいいですか?
A.硝子体注射後の合併症のなかで一番気を付けたいのが感染症です。
注射だけではなく手術もそうなのですが、外部から傷をつくって眼球内にアプローチする場合、眼表面の雑菌を眼内に持ち込む可能性があります。これを防ぐために、注射の前後に抗菌剤の点眼をしっかりしていただき、注射をしたその日は洗顔を避けていただくようにします。
だんのうえ眼科 亀有院
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